よく、「自分には虫歯はないので、ずっと歯医者に行っていない」という人がいます。おそらく、歯に穴が空いていない、痛みがないのでそう言っているのだと思われます。
実際、特に成人の人の場合、目で見てわかりにくい虫歯、症状を出していない虫歯、というのが多くあります。
ですが、もちろんそのような場合でも、虫歯というのはいずれ進行していきますので、放置するといつか思わぬトラブルを起こすことになりかねません。今回は、気づきにくい、わかりにくい虫歯にはどのようなものがあるのかについてご紹介します。
黒くない虫歯
虫歯というと、「黒い」というイメージのある人も多いと思います。ですが、急性う蝕(急速に進む虫歯)の場合、全く色がついていないことが多く、見た目ではわかりづらいことがあります。これは、特に子供や若い人に多く見られます。
この場合、あっという間に神経に達してしまうことも多いため、虫歯リスクの高いお子さんや若い人は注意が必要です。
歯と歯の間にできる虫歯
虫歯がよくできる場所として「奥歯の溝」「歯と歯茎の境目」「歯と歯の間」の3箇所が挙げられます。この中で、歯と歯の間にできる虫歯というのは、よっぽどひどくならない限り、表から見えることはありません。
このような虫歯は、歯科でレントゲンを撮ればその部分が黒く見えるのでわかります。また、デンタルフロスを通す際に糸が毛羽だったり、切れたりすることで、ご自分で早期に発見することも可能です。
詰め物・被せ物の下にある虫歯
これは特に、歯の治療をしてから年数が経っている場合に見られるものです。表面から見ても、全く異常がないように見えるため、痛みがなければそのまま放置されがちで、気がついた時には大きな虫歯になっている、というケースも少なくありません。
この場合にも、歯科のレントゲンを撮ればわかることが多いです。歯の治療をして何年か経っている場合、症状を感じなくても定期的にレントゲン検査を受けておくことが大事です。
虫歯はひどくならないと症状を出さない
虫歯には痛いイメージがありますが、実際、初期の段階ではほとんど症状を出さず、神経に近づいてからやっと痛みを出してきます。しかし、痛みを感じてから治療をする場合、ほとんどのケースでは大事な神経を犠牲にすることになってしまいます。
神経を取ると、歯の寿命が大きく縮んでしまいますので、虫歯というのは早めに治療を受けることが肝心です。
大切な歯を守ためにも、定期検診を受け、予防、早期発見・早期治療を心がけましょう。