歯周病とは、歯茎の病気の総称です。 30歳以上の日本人の8割以上が、この疾患を患っており、この疾患で歯を失っていきます。 虫歯は、痛みという身体のシグナルにより気がつきますが、歯周病は痛みがほとんどない状態で静かに進行していくので、気がついた時には手遅れになるケースが多くあります。 ○歯周炎(歯周病初期) 歯周病のごく初期の段階で起こる物で、歯茎が赤く腫れてくるのが特徴です。 ブラッシングを一日~三日も怠ればこの症状がはじまり、さらに進行すれば歯茎から出血を起こします。 この時にきちっとした対策を立てる事が出来ればまず問題ありません。 しかし、痛みがなく自覚症状もない為にこのまま放置を続けてしまうケースがほとんどです。 | |  
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○歯槽膿漏(歯周病中~末期) 歯垢は時間が経てば、固くなり歯石となってきます。 歯石になればもはや歯ブラシで落とす事は不可能です。 歯石は常に毒素を放出し続け、それが少しずつ時間をかけて、痛みを与えずに歯を支える骨を溶かしてき、口臭も酷くなっていきます。 症状が進むと、歯がグラグラと動き出します。 歯の揺れは段階を踏んで大きくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。 ☆歯周のメンテナンスを行おう! | |  
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歯周病を完全に防ぎ、一生全ての歯を使い続ける事が出来るという約束はどのような優秀な歯科医師であっても出来ません。しかし、少しでも長く、一年でも長く自分の歯を使い続けるためのメンテナンスは可能です。 まずは、口腔衛生のプロである歯科衛生士の指導のもと、正確で正しいブラッシングをマスターしてみましょう。それだけで歯の寿命が5年、10年と変わってくるはずです。 |
歯科衛生士の指導によるブラッシング指導は、丁寧かつ効率が良く、自宅でのケアの方法がマスターできます。 また、デンタルフロスという細い糸で、歯ブラシでは落とし事が出来ない歯と歯の隙間の汚れを落とす事が大事です。 歯と歯の隙間の汚れは全体の40%を占めています。 | | ブラッシング指導  フロスも重要です  |

| | 自宅でのケアでも、100%の汚れを取りきる事はできません。 それを歯科医院で取ることによって、歯周病の発祥を抑えることが出来るのです。 取りきれない汚れ(歯垢)は平均的に3~6ヶ月で歯石になるので、定期健診の時期もそれに合わせて行いましょう。 ※歯周病の進行が酷い場合は月に一度ら来院いただく事をおすすめします |
溶けた歯槽骨(しそうこつ)と痩せた歯肉を回復させる 歯槽骨再生療法
一度溶けてしまった歯槽骨は自然には元通りにはなりません。 正確にいうと、元通りになろうとはするのですが、それを上回るスピードで、溶けた骨の上に上皮が出来上がり、回復の妨げとなるのです。 やっかいな事に、歯槽骨が溶けると、歯茎も同時に痩せてしまうので、歯がとても長く見えてしまいます。 見た目が変化するだけであればまだ良いのですが、歯が長く見えるという事は、歯の根元が露出するという事なので、歯の隙間が大きくなったり、知覚過敏の症状を起こす事もあります。 また、歯を支える土台が弱くなっているので、注意が必要です。 誤解される方が多いのですが、年を取るから歯が長くなったり、口臭がきつくなったり、歯が抜けるのではなく、全ては歯周病という病気によってこれらの症状が現れるのです。 防ぐ方法を知り、学び、実践する。それが歯周病を防ぐ唯一の方法です。 溶けた骨は、歯槽骨の再生療法を行うことによって、解決出来る場合があります。 しかし、完全に再生を促すことはやはり困難であり、どの程度回復するかは個人差があります。 歯槽骨の再生療法は、歯と歯茎の間に溜まった歯石を除去し、その隙間にメンブレンという安全で特殊な膜を設置して、新しい骨の再生を促します。 |
※著しく進行した歯周病には、再生療法が適応しない場合があります。 |